菜の花のブンガク [文学]

4月に入り、春めいたかな?と思ってもまた寒の戻りで
今日はまた冬の空気。


でも、確実に季節は動いていますね。
以前もブログに書いたのですが、白木蓮はなんとなく切ない花です。
どうしてかな?と良く考えると


別れの季節の花だから…ということに気づきました。
送別会をした帰り、暗闇にぽっかりと白い花があんまりみごとに咲いている。
そんな光景を何度も見た気がします。
それで、白木蓮はなんとなく淋しいような
切ないような気がするのです。


DSC_0236.JPG


菜の花は明るい!
その明るさそのもののような文章があります。

青木玉の「幸田文の箪笥の引き出し」のなかの「すがれの菜の花」

母幸田文が仕立てた着物の話。


黒留代わりにも着られる華やかな黒い着物で、裾にあおあおと真直に伸びた茎にびっしりと花をつけた菜の花を描く。それは丁度黒い着物を着て菜の花畑に立っているように見えるというイメージのものであった。
その着物は、縁あって、幸田家に手伝いに来ていた女性が結婚する際に譲られます。

そのくだり

「奥様、私が何を言っても怒りませんか」 と切り出した。 「私は菜の花の着物を着てお嫁にいきたいんです。秋だろうと冬だろうとそんなこと構いません。新しい着物も欲しくない。私はあれが」 と泣き出してしまった。 菜の花時のうらうらとした眺め、土の感触、土に鋤き込まれても、油を絞られたあとまでも、たくましく物を育てる力になるこの花に、彼女の心は引かれて止まないのであろう。

「幸田文の箪笥の引き出し」はカラーの着物の写真も満載で、
質実剛健なんて言葉のぴったりとした
幸田家の着物のエピソードが綴られています。
黄色の花は春らしさを際立てるという記事も先日書きました。

楚々とした花は勿論美しいけれど

今はこんな元気な花が好きです。







幸田文の箪笥の引き出し (新潮文庫)

幸田文の箪笥の引き出し (新潮文庫)

  • 作者: 青木 玉
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/08
  • メディア: 文庫



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コメント 2

はくちゃん

おはようございます
菜の花、好きです
なんか元気になりますよね
(^^)/

by はくちゃん (2011-04-05 09:08) 

madamM

はくちゃんさんコメントありがとうございます。
菜の花の黄色は春本番って感じで暖かい気持ちになりますね!お浸しも美味しいし(笑)

by madamM (2011-04-08 11:33) 

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