京都ラブの東京人のための読書案内 [文学]
江戸ラブといっておきながら直近に読んだ本は京都を舞台にした本。「有頂天家族」や「夜は短し歩けよ乙女」の京大卒作家森見登美彦氏の「きつねのはなし」
実は私「夜は短し~」は文体がどうしてもなじめず、断念してしまいました。夫ちゃんは面白かったよと言っていたのですが。でも「きつねのはなし」は面白かったです。本の帯のキャッチ「薄闇の古都で見た悪い夢。目覚めても夢の続きにいるような。」の通りです。短編が四編入っています。それらはリンクしているような、全く別の話のような不思議な感じで、最後の話で謎が明らかに!とはならないのが妖しく美しい余韻をもたらすのです。泉鏡花、あるいは小川未明、幻想文学がお好きな方ならばはずさないはずです。
同じく京大卒作家万城目学氏も最新作が出ているのですが、今回は舞台は残念ながら大阪でした。京都を舞台にし、荒唐無稽な展開でありながら、リアルな京大生の汗臭い日々を描いた「鴨川ホルモー」は4月に映画が封切られ、我が家では心待ちにしているのですが、そのサイドストリー「ホルモー六景」もおすすめです。個人的には「もっちゃん」が好きです。梶井基次郎の「檸檬」を読んだことのなる人ならばツンときます。昨年ドラマにもなった「鹿男あをによし」も奈良が舞台ではありますが、ちょっとだけ京都がでてきます。(伏見稲荷とか、京都動物園とか。)我が家では昨夏、三角縁神獣鏡を見に奈良の黒塚古墳まで行ってきました。
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