本のブンガク [文学]
このところ読書周期に入っています。
夏の末から仕事で小説を十数冊読まなきゃならなくて
ちょっとうんざりしていたのですが
仕事じゃなくなると俄然読みたくなる
本がテーマの本を読みました。
角田光代さんの「さがしもの」
本をめぐる9編の短編がおさめられています。
古本屋や貸本屋が健在だったころの
本棚=その人の脳や性格だったころの
愛しい本のお話たちです。
何度古本屋に売ってもどこかで巡り会う本「旅する本」
時や場所を超えて、本にはさまれていた手紙と対話する「手紙」
祖母から頼まれた一冊の本を探す「さがしもの」
「ミツザワ書店」の店番そっちのけで、本を読んでばかりいる祖母に孫娘が「何で本屋になったの?」と聞くと
「だってあんた、開くだけでどこへでも連れていってくれるものなんか、本しかないだろう。」
と言うのです。
電脳社会の中で本はどこへいくのでしょう。
そんなジェネレーションギャップを娘との間で感じたのが、
恩田陸さんの「図書室の海」
学校を舞台に「サヨコ伝説」の秘密の話。
恩田さんの作品は「夜のピクニック」も「六番目の小夜子」も往年のNHKの少年ドラマシリーズを思い出させる学園モノ。
好きです。
ノスタルジーです。
その中で本についている図書カードの名前をたどり本を借りていくというシーンがあります。
娘にはこのシーンが???だったのです。
今やバーコードでピッという時代。プライバシーにとっても大問題なシステムでしたね(笑)
でもちょっぴり寂しい気もします。
だって
私の世代では誰もが一度はやったことがあるのではないでしょうか?
図書カードの貸し出し欄の好きな人の名前の下に自分の名前を書いてみる。
憧れの人の借りた本の足跡をたどり本を借りる。
自分が手にとった本にいつでも先を越されて記されている名前の人に興味を抱いたり、
同じ本を読んで友達になったり
紙の本を持ち歩かなくなると、ますますそういう機会は減って見知らぬハンドルネームで語り合うだけになっちゃいますね。
やはり私は古い世代の人間のようです(苦笑)
タグ:読書
角田光代さんの『さがしもの』は読んでいないですが、
読みたくなりました。
恩田陸さんの本は読みましたが、そうですね、今図書館カードは個人の物で、貸出カードに何人もの名前が書かれるというのはありませんね。
映画や、アニメ(宮崎駿さんの耳をすませば)など、図書の貸し出しカードの出てくる部分は分からなくなるのですね。ギャップだ(苦笑)
by asaka (2010-11-20 23:06)
asakaさんコメントありがとうございます。
月曜日お休みの身としては、なかなか図書館にもいけず読書もままなりません。久しぶりに本の紹介ができ、興味を持っていただけたなんて嬉しいです。
by madamM (2010-11-21 00:00)
こんにちわ。今の本が読み終わったら、角田光代さんの本を探してみようと思いました。夜のピクニックを書いたのは、恩田陸さんっていうのですね?知らなかった。機会があったら、読んでみます。
by itomaki (2010-11-21 22:33)
私も最近、家にあったかつおきんやさんの五箇山暮らしという
古い本を何気なく読んでみたらおもしろくて最後まで夢中で読んで
しまいました(笑)。 テレビや映画と違って自分で想像力を描き立て
頭の中にいろんなシーンが浮かんでくるおもしろさを子ども達にも
もっと体験して欲しいですね。
by ため息の午後 (2010-11-22 18:42)
itomakiさんコメントありがとうございます。
恩田陸さんの本も、懐かしく、青春を思い出させてくれるものが多いのでオススメです。
by madamM (2010-11-23 11:31)
ため息の午後さんコメントありがとうございます。
久しぶりに再読する本、今まで読んだことなかったジャンルの本、読み方も色々でも世界は広がりますよね!
by madamM (2010-11-23 11:35)